塾長独言 〜学童保育型学習塾の週刊blog〜

2022年春に札幌市桑園地区に新規開設する学童保育型学習塾の塾長ブログです

本を読むだででは国語の成績は上がらない?

国語の成績が上がらない子どもに、「本を読みなさい」と言う方がいます。

しかも、割と多く。

 

しかし、本を読んでいれば国語の成績が上がると言うのは、ほぼ迷信に近いものがあります。

 

今年の8月11日、国立青少年教育振興機構は、『子どもの頃の読書活動に関する調査研究』の報告書を公開しました。

この中で、「読書をしている人はしていない傾向がある人よりも非認知能力が高い傾向があるが、紙媒体の本で読書をしている人の非認知能力は最も高い傾向がある」と言う調査結果が報告されています。

非認知能力とは何でしょうか。

テストなどで数値化が難しい内面的なスキルのことを指します。

「目標を定めて取り組む」「意欲的に取り組む」「新しいことを発想する力に長けている」「周りの人と円滑にコミュニケーションがとれる」などの力のことです。

どの力も、成績を上げるために必要な力ではありますが、成績そのものではありません。

この報告書では、電子書籍などの電子媒体よりも、昔からある紙媒体である本を読む人が、最もこの能力が高い傾向にあったという結果が示されましたが、その原因までは踏み込んで調査はされていません。

つまり現段階では、「本を読むという行為は、どうも成績を上げるために必要となる非認知能力は上がるようだが、成績そのものが上がるということにはならないようだ」と言うことが見えてきました。

 

ここで、国語と読書の関係について話を戻してみます。

例えば、わかりやすい小説を例にして考えてみると…。

小説を読む時って、物語に入り込み、感情移入をして読むからこそ楽しいですよね。

主人公に共感したり、応援したり、主人公から恋人を奪った相手を憎んだり、犯人のトリックに驚いたり。

私も、中学生時代には時代小説にハマり、司馬遼太郎をはじめ、隆慶一郎藤沢周平山本周五郎南原幹雄などの作家さんの作品を読み漁りましたが、寝る前の読書の時間は、まさに江戸時代にいるような感覚で自然と感情を移入して読んでいました。

 

しかし、そういう読み方をしてしまうと、逆に国語は点数が取れなくなってしまう現実があります。

私は子どもたちに、小説の長文読解の時に何度も何度も言っていることがあります。

 

①あなたの気持ちは聞いてない。なぜなら、あなたの気持ちに点数はつけられないから。

②行動を裏付ける感情はどこに書かれているか、逆に感情を裏付ける行動はどこに書かれているかの整理を必ずしよう。

③答えは必ず本文中にある。「説明せよ」と問われても、本文の書き抜きで構わない。

④問題文から先に読むのではなく、本文から先に読もう。

⑤人物の関係性(友人、夫婦、恋人、上司部下など)、心情的関係性(良好、敵対など)、それら関係性の変化(対立から良好へ、対立から中立へ、などなど)が表れる箇所を整理して読もう。

 

小説を楽しんで読む時に、そんなことに気を遣いながら読み進める方って、そうそういないですよね。

だからこそ、国語の成績をあげようとするならば、楽しむための「読書」と、点数をとるための「読解」は、全く違うことを肝に銘じなければならないのです。

 

今、中学生たちと私は、学年に関係なく全員で、毎日必ず同じ長文問題を読解することにしています。

私は「教える」という立場を離れ、中学生と同じ時間に、同じ問題を解くようにします。

そうすることで、なぜ子どもたちが解けないのかが見えてきます。

 

答え合わせが終わると、今度はその本文を楽しむためだけに再度同じ本文を読み、感想の交換をします。

そこでは、自分の気持ちを表現するというコミュニケーション能力も育みながら、「読書は本来、楽しむものだ」という確認も行っています。

みんなの感想を交換するその時間は、私が最も楽しみにしているひと時です。

 

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なぜ、学習塾と学童保育を一体化する?

私は、大学・大学院と教育学を学んで、とある町の教育行政(いわゆる「教育委員会」)に専門職として7年ほど奉職しました。

学生時代は、大手の学習塾や、大好きなコーヒーの美味しい淹れ方を勉強するために喫茶店などでアルバイトをしていましたが、民間の学童保育所でも3年間ほどお世話になりました。

 

子ども達は、学校が終わると学童保育所に登所します。

子ども達は、そこで集団生活を通した生活力を身につけていきますが、一定の割合で、学童保育所から塾へ通塾する子がいます。

その割合は、学年が上がるにつれて多くなり、中には学童保育所で過ごすのは数十分で、あとは塾で多くの時間を過ごす子や、学童保育所に来るのは週に1日〜2日くらいで、その他の日は塾に行くという子もいます。

多くの学童保育所では、自然体験、異文化体験、生活体験など、体験活動のメニューが豊富に用意され、そこにそれぞれの学童保育所の特色が出されていますが、学習に関しては宿題の時間を確保する程度で、本格的な指導は行えないのが現状です。

多くの子ども達(特に高学年)は、ランドセルを置きに学童保育所に登所し、おやつを食べるなどの後は、塾に向けて出発します。

多くの家庭では、学童保育所に払う利用料と、塾の月謝を二重で支払っています。しかも塾は、「1教科いくら」という月謝がほとんどであり、5教科総体で指導を受けるとなると、相当額の月謝が発生します。

 

私たちはまず、それを一本化したら、子どもにも家庭にも喜ばれるのではないか、という単純な問題意識からスタートしました。

加えて、教科指導。

子ども達が勉強を嫌いになる大きな理由のひとつに、「なぜ勉強が必要となるかわからない」というものがあります。

生活の場面でも、遊びの場面でも、教科で学んだ知識を活かす機会が少ない。だから、学ぶ意義がわからない。そのスパイラルが、勉強を苦痛なものにし、勉強から子どもを遠ざける大きな要因になっています。

学校や塾の授業で頑張って知識を身につけていても、それを活かす機会がなければ、その意義を子どもが実感できることはありません。

そうであるならば、塾で学んだ知識を、リアルタイムに学童保育所で生活や遊びで活かす機会を作れば、学ぶ意義や楽しさを実感することができるのではないか、と考えました。

そんな環境を作るためには、教科ごとに分断された学習指導では意味がありません。

 

各教科を横断的に結びつけ、それを学童保育の場で生かしていく。

私たちは、その教科を横断的に結びつける根幹を、「言語力」に置くことにしました。

なぜ、「言語力」をその根幹としたのかは、追い追い書いていこうと思いますが、私たちが目指す「学童保育型学習塾」とは、学習塾で学んだ知識を学童保育で活かしていき、「生きた知識」とすることで、子ども達の学ぶ意欲を向上させ、成績向上に繋げていくものです。

今はそのカリキュラムを磨き上げながら、開設準備を進めているところです。

カリキュラムが決定し、教材が確定すれば、このブログでもお知らせしたいと思います。

はじめまして。

札幌市の桑園地区。

札幌市中央区の一部を指すこの地名は、正式な地名ではありません。

明治時代、蚕を飼うための桑畑が広がっていたことからそう呼ばれるようになり、正式な地名ではないため明確な境界線はありませんが、すぐそばに北海道大学があることから、教授たちの家が立ち並ぶ、通称「大学村」と呼ばれていた区画もありました。

今では、北海道知事公館や北海道立近代美術館、札幌競馬場などがあり、札幌駅まで一駅という立地の良さから、居住地区としてとても人気の高いエリアです。

 

2022年春、私たちはこの地に、学童保育型学習塾を開設するために準備を進めています。

 

学童保育所と学習塾を一体化する。

大学・大学院と教育学を学び、7年間ほど地方の教育委員会に勤めて、学生時代に3年間ほど民間の学童保育所でアルバイトをさせて頂いた経験から、この形式が、子どもの健やかな育ちに私たちが寄与できる1番の近道だという結論に至りました(その理由は、追い追いブログで詳しく書いていきます)。

 

明治時代に桑畑だった頃から、歴史を紡いできた桑園地区。

その地での来年3月のオープンに向けて、準備も佳境に入っていきます。

どうぞ、よろしくお願いいたします。