本を読むだででは国語の成績は上がらない?
国語の成績が上がらない子どもに、「本を読みなさい」と言う方がいます。
しかも、割と多く。
しかし、本を読んでいれば国語の成績が上がると言うのは、ほぼ迷信に近いものがあります。
今年の8月11日、国立青少年教育振興機構は、『子どもの頃の読書活動に関する調査研究』の報告書を公開しました。
この中で、「読書をしている人はしていない傾向がある人よりも非認知能力が高い傾向があるが、紙媒体の本で読書をしている人の非認知能力は最も高い傾向がある」と言う調査結果が報告されています。
非認知能力とは何でしょうか。
テストなどで数値化が難しい内面的なスキルのことを指します。
「目標を定めて取り組む」「意欲的に取り組む」「新しいことを発想する力に長けている」「周りの人と円滑にコミュニケーションがとれる」などの力のことです。
どの力も、成績を上げるために必要な力ではありますが、成績そのものではありません。
この報告書では、電子書籍などの電子媒体よりも、昔からある紙媒体である本を読む人が、最もこの能力が高い傾向にあったという結果が示されましたが、その原因までは踏み込んで調査はされていません。
つまり現段階では、「本を読むという行為は、どうも成績を上げるために必要となる非認知能力は上がるようだが、成績そのものが上がるということにはならないようだ」と言うことが見えてきました。
ここで、国語と読書の関係について話を戻してみます。
例えば、わかりやすい小説を例にして考えてみると…。
小説を読む時って、物語に入り込み、感情移入をして読むからこそ楽しいですよね。
主人公に共感したり、応援したり、主人公から恋人を奪った相手を憎んだり、犯人のトリックに驚いたり。
私も、中学生時代には時代小説にハマり、司馬遼太郎をはじめ、隆慶一郎、藤沢周平、山本周五郎、南原幹雄などの作家さんの作品を読み漁りましたが、寝る前の読書の時間は、まさに江戸時代にいるような感覚で自然と感情を移入して読んでいました。
しかし、そういう読み方をしてしまうと、逆に国語は点数が取れなくなってしまう現実があります。
私は子どもたちに、小説の長文読解の時に何度も何度も言っていることがあります。
①あなたの気持ちは聞いてない。なぜなら、あなたの気持ちに点数はつけられないから。
②行動を裏付ける感情はどこに書かれているか、逆に感情を裏付ける行動はどこに書かれているかの整理を必ずしよう。
③答えは必ず本文中にある。「説明せよ」と問われても、本文の書き抜きで構わない。
④問題文から先に読むのではなく、本文から先に読もう。
⑤人物の関係性(友人、夫婦、恋人、上司部下など)、心情的関係性(良好、敵対など)、それら関係性の変化(対立から良好へ、対立から中立へ、などなど)が表れる箇所を整理して読もう。
小説を楽しんで読む時に、そんなことに気を遣いながら読み進める方って、そうそういないですよね。
だからこそ、国語の成績をあげようとするならば、楽しむための「読書」と、点数をとるための「読解」は、全く違うことを肝に銘じなければならないのです。
今、中学生たちと私は、学年に関係なく全員で、毎日必ず同じ長文問題を読解することにしています。
私は「教える」という立場を離れ、中学生と同じ時間に、同じ問題を解くようにします。
そうすることで、なぜ子どもたちが解けないのかが見えてきます。
答え合わせが終わると、今度はその本文を楽しむためだけに再度同じ本文を読み、感想の交換をします。
そこでは、自分の気持ちを表現するというコミュニケーション能力も育みながら、「読書は本来、楽しむものだ」という確認も行っています。
みんなの感想を交換するその時間は、私が最も楽しみにしているひと時です。
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